2014/03/04 10:00 AM NEWS
金融税制のむずかしさ
日本の税法は難しすぎる
こんな話をよく耳にするが、その典型例は個人の金融税制だ。
平成28年から適用される、公社債の条文を読み込むと、矛盾
しているようで矛盾していない、そんな規定によく出会う。
公社債の課税関係は、平成28年より株式の課税関係に
準じたものに変わる。この「株式等」について、
租税特別措置法37条の10(株式等に係る譲渡所得等の課税の特例) 2 前項に規定する株式等とは、次に掲げるもの(中略)をいう。 七 公社債(一部略:政令で定めるものを除く。以下この款において同じ)。 とあり、先の公社債の範囲からは、下記のとおり割引債が除かれる旨が 規定されている。
租税特別措置法施行令25条の8(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例) 3 法第三十七条の十第二項第七号に規定する政令で定める公社債は、 法第四十一条の十二第七項に規定する償還差益につき同条第一項の規定の 適用を受ける同条第七項に規定する割引債とする。 この政令を見ると、割引債と公社債は税法的には別物、と解されるが、 以下のような法律があり、即混乱する。
租税特別措置法41条の12の2(割引債の差益金額に係る源泉徴収等の特例) 6 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 割引債 第三十七条の十第二項第七号に掲げる公社債(以下この号において 「公社債」という。)のうち次に掲げるもの(中略)をいう。 見てもらうとわかるが、租税特別措置法37条の10では割引債を除いたものが 公社債、としながら、租税特別措置法41条の12の2では、除かれる割引債を 前提とした公社債が、割引債の前提、としているのだ。 条文を丁寧に読んでいくと、この矛盾は問題ないことが理解できる。 長くなるので詳細は省くが、当局の理解としては、法律にその規定が 存在すれば大丈夫、というものだろう。 言うまでもなく、こんな条文は私でも読むのが億劫だ。結果、 当局のパンフが大きな武器となるわけだが、最終的には 法律で決まるので、怖いこと限りなし、というところ。 この点、当局は、個人の金融取引は金融機関が計算するところ、 条文読まないから問題ない、と考えているのだろうか? 金融機関も税法の専門家ではないので、問題は税理士に 投げられるんですけど....
税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中。
@yo_mazs
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