2014/06/05 9:00 AM NEWS

税法上のリース取引

リース取引の貸手・借手の認識の違い

某税務雑誌を読んでいて、このような事情があるため、消費税の適用税率が
変わるケースがある、という指摘があった。このような場合、借手ではなく、
貸手の認識で決める、という指摘もなされている。

言うまでもないことだが、リース取引にはオペレーティングリースファイナンス・リースがある。これについて、前者は賃貸借、
後者は売買となるわけだ。

このため、いずれか一方が賃貸借と認識し、もう一方が売買と認識すれば、
当然ながら消費税の適用税率が増税を機に代わることになる。賃貸借は
支払期日、売買は譲渡時点と適用税率の判断は取引ごとに変わるからだ。

しかし、私見を申し上げると貸手と借手で認識は異ならない、というのが
税法のスタンスであると考えている。

法人税法64条の2(リース取引に係る所得の金額の計算)3項
前二項に規定するリース取引とは、資産の賃貸借
(所有権が移転しない土地の賃貸借その他の政令で定めるものを除く。)で、
次に掲げる要件に該当するものをいう。
一  当該賃貸借に係る契約が、賃貸借期間の中途においてその
   解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものであること。
二  当該賃貸借に係る賃借人が当該賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な
    利益を実質的に享受することができ、かつ、当該資産の使用に伴つて生ずる
    費用を実質的に負担すべきこととされているものであること。
これを見ていただくとわかる通り、
貸手と借手で定義を変えているわけではない。

認識は異なることはあるものの、それは事実認定
と法令解釈の話になる。これらの話は、最終的には
税務調査で決着がつくことになろう。

となれば、認識がずれるということは税法的には
存在しないように思うのだが.....



 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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