2014/06/10 9:32 AM NEWS

著作権は固定資産?

著作権は税法上、非減価償却資産

 
ある意味常識的な話。先日、この課税関係を考える機会があり、
再度条文を見直してみたのだが、どうにもこの常識が腑に落ちないのだ。
法人税法施行令12条(固定資産の範囲)
法第二条第二十二号 (固定資産の意義)に規定する政令で定める資産は、
棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるものとする。
 一  土地(土地の上に存する権利を含む。)
 二  次条各号に掲げる資産
 三  電話加入権
 四  前三号に掲げる資産に準ずるもの
いうまでもなく、著作権は土地でも電話加入権でもないので、
第二号の「次条各号に掲げる資産」の範囲を見てみよう。
法人税法施行令13条(減価償却資産の範囲)
法第二条第二十三号 (減価償却資産の意義)に規定する政令で定める資産は、棚卸資産、
有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用に供していないもの
及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。
一~七 省略
八  次に掲げる無形固定資産
 イ~ツ 省略
九 省略
ここで問題なのは、上記八号のイ~ツに掲げる資産に
「著作権」が入っていないことにある。

13条各号に規定する資産が固定資産になるわけだから、著作権が
入っていないのはどうしても納得できない。事実、この点をもって、
著作権は減価償却をすべき資産にならないのだから、
非減価償却資産と言われている。
減価償却しないことは理解できるが、固定資産になるためには、
13条8号に入れておく必要があるような気がするのだが、12条2号に
準ずる資産(法令12四)として、著作権は固定資産と解釈しなさい、
ということなのかもしれない。

ただし、13条8号において、「次に掲げる無形固定資産」としている以上、
減価償却をしない無形の「固定資産」があるという前提で条文を書いているから、
12条の解釈は別途、このような固定資産があり、それに著作権が該当する、
という通説どおりの解釈が正しい、ということにはなるのだろう。
やはり、腑に落ちない。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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