2015/04/06 10:04 AM NEWS

国外財産調書不提出

国外財産申告せず 加算税を初適用

日経新聞の記事によると、件の国外財産調書制度について、
初めて加算税の加重処分がなされた模様。

インサイダー被告、国外財産申告せず 加算税を初適用

所得税については、加算税が加重され、結果として
過少申告加算税が15%賦課された模様。

国外財産調書について、厳しい行政指導がなされている
のは周知のとおり。国外財産に対する相続税の
適正課税、という本丸があるため、国税としては
早期に実績を作りたい、という思いがあっただろう。
怖さのアピールとしては十分な事案、と考えられる。

平成25年分の申告に対しては、5千件超の国外
財産調書の提出があった、と言われるが、まだまだ
少ないと指摘されているようだ。5千万円超の
国外財産を持っている居住者がどのくらいか、
見当がつかないので確たることは言えないが、
国外財産調書の対策は、ひとえに不正をしない、
すなわち申告するということに尽きる。

申告さえしていれば怖いものがないわけで、
対策のノウハウはない。この点、
国外財産調書の対策セミナー、などと
いったものもあるが、正直に申し上げて
基本意味はない。書き方など、税務署や
税理士に聞けば教えてもらえるからだ。

申告しない納税者がいるとすれば、
ナンセンスこの上ない話だ。

国外財産調書に限った話ではないが、
最高の税務調査対策は、

不正をしないこと

である。不正がなければ、税理士の腕にも
よるが、交渉で税金はかなり下げられる。
不正をするからこそ、交渉は芳しくない。
税務調査という節税のチャンスを、
不正で台無しにしては勿体無いのだ。

申告したところで、原則として
未実現キャピタルゲインには課税できない。
となれば、その実現のタイミングまでに
対策をとればいいわけで、資産状況を
国税に把握されることをそこまで
恐れる必要はないだろう。

申告せずとも、租税条約の絡みで
タックスヘイブンの情報も、国税は
相当に収集しているわけで、申告漏れは
把握されてしまう。

それなら5%の加算税軽課(インセンティブ)を
狙ったほうがいいのだが、良識ある税務署長
経験者のOB税理士も、あからさまな不正行為を
行って脱税事件で検挙される昨今、不正の誘惑に
負けてしまうこともあるのだろう。

税務調査は節税のチャンス。
それを忘れてはいけない。






ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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