2014/04/02 8:54 AM NEWS

ジョイント口座の嘘

ジョイント口座で節税できる

 
こんな甘い言葉で納税者をだまし、結果としてジョイント口座に
係る相続財産を申告せず、重加算税まで賦課された、こんな
事件が現在問題視されている模様。

ジョイント口座:「夫婦で節税」ウソ 相続税申告漏れ増加

ジョイント口座は共有という取扱いになるはずで、それで
あれば共有持分に対応する預金は相続財産になる。この点、
国税庁の質疑応答事例からも明白かつ常識的な話。

共有地の評価
騙される方にも責任はゼロではないが、甘い言葉を投げる
業者は卑劣極まりない。こんな甘言がまかり通る背景には、
以下の二つの事情があると思われる。


先の報道でもあるが、ジョイント口座は日本では認められて
いない。このため、現地の法律に基づいて、相続財産に
該当するかを考えればいい、などといった馬鹿げた見解を
示す税理士も中には存在する。

しかし、相続財産に対する課税は、居住者無制限納税義務者
であるところ、全世界の財産を、日本法に照らして相続財産
に該当するか考える必要がある。

もう一つ、近年税理士の中には広く海外投資を顧客に勧める
人がいる。税務の取扱いをきちんとお客様に説明し、申告まで
サポートする人がほとんどだが、ごく少数の悪質な税理士は、
このあたりあまり説明しなかったり、困ったことに税務に
詳しくなかったりする者もいるのだ。

中には、「税務の取扱いが不明なので、税務申告は
皆さんでやってください」などと言う、プロと言えない
税理士もいるという話を聴いたことがある。

こういう、悪質な税理士も専門家として活動している
ものだから、一般の納税者はこのような甘言に夢を見て
しまうことになるのだろう。

金融庁はもちろん、税理士会や国税庁も、怪しい税理士に
きちんと目を光らせて欲しいと願う。




ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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