2014/04/18 10:10 AM NEWS

所轄違いで違法になる?

所轄が違うと第二次納税義務に係る

納付告知処分は違法

 
先般、こんな裁決事例が報道された。本件、滞納者が住民票を引越し先に移しておらず、
住民票所在地で確定申告を行っていたのであるが、住民票所在地を所轄する税務署長が
行った第二次納税義務者の納付告知処分について判断されたもの。

周知のとおり、所轄税務署は、納税者(滞納者)の住所地で決定されるのが
大原則。ただし、住所は実質判定することになるので、このような事例が生ずるので
ある。

この点、請求人は過去の電気使用量などから、生活の本拠が
住民票所在地になかったことを証明した模様。結果、第二次
納税義務者の納付告知処分が全部取り消されたようだ。


確かに、法律的に納付告知処分はできないと解されるが、
単に所轄が違うだけなので、これがトラブル理由がイマイチ
よくわからない。所轄が違ったのであれば、本来の所轄税務署が
納付告知処分を行うだろう。

この点、納税地が納税者等の所在でわかれる以上、法律的には
各税務署長ごとに裁量がある、かのようにも読めるが、実際は
業務統一の見地から、国税局が所管している。このため、当局の
職員としては、あまり管轄を意識しないようにも思う。結果、全部
取消しされても、というのが正直なところだろう。

それ以上に疑問なのが、納税地という重要な規定について、
形式基準ではなく実質基準を採用している点。住所という実質判定
されるもので行政処分の所轄庁が異なる、となれば当局も納税者も
混乱するだけだろう。

思うに、非居住者等にも十分な課税を行うことができるようにする
ため、納税地に関し、敢えてこのような判断を当局は取っている
のではないかと思う。






 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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