2015/08/10 10:16 AM NEWS

28年度改正の見込み

28年度改正の動きが本格化

報道によると、早くも来年度改正に向けての動きが
本格化した模様である。NHKの報道では、
雇用促進税制や環境投資促進税制など、今年度末で
期限が切れる16の租税特別措置の廃止が提言されて
いるようだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150803/k10010176001000.html

租税特別措置の見直し以外にも、以下のような項目に
ついて議論がなされる模様。

① 中小への外形標準の拡大
② 減価償却が定額法に一本化
③ 中小法人の形式基準の見直し
④ 公益法人、協同組合の軽減税率の見直し
⑤ 法人成りなど小規模企業等に対する課税の見直し
⑥ 留保金課税の見直し
⑦ 配偶者控除等の抜本改革
⑧ 年金税制の見直し
⑨ 事業用資産に対する事業承継税制
⑩ 遺言控除の創設
⑪ 法人事業税の損金不算入

これらすべてが実現するとは思えないが、
ざっと見る限り、厳しい内容ばかりである。

とりわけ注目したいのが、前回のブログと
絡む小規模企業等に対する課税の見直し(⑤)
である。

事業体課税など無理、という理解でいたが、
法人税減税の影響は恐ろしく大きいようだ。
法人税以外の税金は増税しなければならないため、
当然ながら

税逃れのための法人化

が増える。個人で商売すると大変なことに
なるから、とりあえず法人を作ろう、という
流れは間違いなく生じるだろう。

富裕層は一般社団法人をガンガン作って
相続税の節税を行っているが、これも
面白くないわけで、資産管理法人なんて
おかしいよね、という議論も起こりうる
かも知れない。

大企業に配慮した内容なのだろうが、
中小企業にとっては厳しい改正が
待っている。

本年度改正もそうだったが、

稼ぐ力のある企業を優遇する

というトレンドが目に見える。

儲かっている同族企業の中には、
敢えて上場しない、という経営方針の
会社も多いが、こういう会社は大きな
ターゲットになりそうで、経営方針を
見直す必要もありそうだ。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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