2015/10/05 10:02 AM NEWS
安易な節税はご法度
露骨な節税はおかしい
本ブログに限らず、いたるところで申し上げていること でもあるが、国税は節税を悪と考えている。合法的な 節税だから問題ない、というが、そのほとんどは税法の 趣旨をとらえていないことが原因である。 政策減税など、趣旨に則った使い方なら問題がないが、 趣旨に則っていないのであれば、大きなリスクがあることは 間違いない。この辺り、専門知識はなくとも理解は できると考える。 先般、朝日新聞の記事に関し、取材を受けた。facebookにも 掲載しているので、ご覧になった方も多いと思うが、以下の 点記者もおかしいのではないか、と指摘した。 ① 危うくなっているといわれるタワマンを使っているが、 本当に問題ないのか? ② 3億円かかるはずの税金がゼロになるのは 何故なのか? 誰が聞いてもおかしな話だが、日本を代表する全国紙に 掲載されたこともあって、それを信じてしまう人も いるかも知れないが、この節税は下記の仕組みで できている。 ① 贈与したい6億円を元手に株式会社を作る ② 4億借金して人気のタワマン物件をいくつか買う ③ 息子には、その物件を所有する会社の株式を贈与する この会社に、節税以外の理由はないことは 明白だろう。
合理的な理由のない、複雑な取引を組む 節税は基本的には許されないと思っている。 シンプルな場合は別にして。 シンプルな場合には、それを防御する法律は 簡単に作れるわけで、その防御をしないのは 国の問題だ。 こういう理屈で、かなりあきれてコメントしたのが 下記。 朝日ほどの大新聞が、どうしてこんなあからさまな節税を、 あたかも問題ないような形で取り上げなくてはいけないのか、 理解に苦しみます。設立した会社をすぐに息子に譲るのは、 会社経営が目的ではなく、節税だけを目的にしていることは明白でしょう。 こういう露骨な節税は、国税が最も嫌うところで、裁判所も厳しい見方を することも多いという印象があります。 さじ加減を読み違えると大変なことになるわけで、 このような安易な節税を記事にするのは やはり問題だろう。
税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中。
@yo_mazs
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