2016/04/18 9:17 AM NEWS

固定資産税の評価方法が変わる?

建物の課税評価を取得価格方式にする

先日の日経新聞にこんな記事が掲載されていた。固定資産税は税でも極めてブラック
ボックスな部分があり、恥ずかしながらよく分かっていない。

現状の取扱いでは、再建築価格方式と言われる方式で計算されているとのこと。
これは、鉄筋や木材など使用資材の価格を1点ずつ積み上げる方式とのことで、
よくもまあこんな面倒くさいことをやっていたな、と痛感させられる。

この方式によると、「正確な時価が算定される」と説明されているが、果たして
そうなのかは大いに疑問。不動産の価値は、建物の資材だけでは決まらないはずで、
となれば評価に時間はかかる割に実態に即していないと言えよう。事実、
建物の固定資産税評価額は、時価の3~4割くらいしかない、という話も
聞いたことがある。

検討されている取得価格方式は、個人が申告した取得価格をベースに評価する
方式とのこと。紙面からは読み取れなかったが、現行の減価償却をベースに
やるという方法だろう。個別事情をくみ取れないとか、時価とかい離するとか
の話もあるが、執行の可能性を踏まえれば、原則として問題ないはずだ。

法人税などでは、建物について、未償却残高=時価、などと言っているわけで、
時価の算定に影響はあるにせよ、国税としてもやりやすい話だからこそ、このような
取扱いを容認していると考えられる。



 
仮にこのような改正が実現した場合の話であるが、影響が大きいと
見込まれるのは相続税の財産評価。今はイコールで計算されるが、この
見直しが必要になるはず。

これに加え、固定資産税の調査は確実に厳しくなるだろう。取得価格を
基礎とするのであれば、当然ながら過少申告を考える輩は存在するはず。

その他、経過措置も面倒くさそうだ。取得費を保存している個人は多くない
から、何らかの割り切りを設けて「わからなければこれを取得価格として
ください」とするより他にない。

仮に現行の固定資産税評価額になるとすれば、施行日前後で税負担が
大きく変わる懸念がある。現状の評価額は3~4割くらい、と言われている
ので。となると、むしろ取り壊さず使い続けよう、というインセンティブが
働きそうだ。

こうなった場合、経過措置で激変緩和、というのが王道だが、こうなると
法律はもっと難しくなる。国税職員よりもはるかに税に詳しくない地方税
担当者が、大事故を起こす可能性は大きいだろう。




ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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