2016/06/06 9:53 AM NEWS

「別法人を作れば大丈夫」を許してはいけない

別の税理士法人を作った脱法行為

先日の読売新聞に大々的に掲載されていた記事。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160530-OYT1T50076.html

元国税のOB税理士が代表を務める税理士法人が脱税を行っていたため、
税理士法違反による懲戒処分を逃れるため、その法人を解散し、同名の
別法人を同じスタッフで作ったということ。

税理士法的には、このように別法人を作ると懲戒処分ができなくなると
いうことらしい。あり得ないようであり得る話らしく、税理士会も
懲戒処分ができない、という話をしてくれた。

記事には、この税理士法人の名前も含めて詳細に書かれていた。
処分がない以上、おいそれと明るみに出る話ではないはずで、
国税がリークしたのだろう。

国税としては、

法律では処分できないから、悪質な行為をやった税理士法人
として、社会的に抹殺を図る

こんな意図があるのではないか、と考えている。


ここで問題提起したいのが二つある。

一つは、コンプライアンス意識に乏しい税理士が一定数
存在するということである。

税理士は税法の専門家であるため、税に対するコンプライアンス
を守るための資格である。にもかかわらず、コンプライアンス意識
のない税理士が存在するわけで、制度に矛盾と破たんがある。

この点、本来は国税や税理士会が厳しく監督しなければならないが、
こういうことをしていない。結果、これらの目を盗んで悪質な
行為を行う税理士が生じる。

もう一つは、OB税理士が代表を務める税理士法人がこのような
不正を行ったのは、偶然ではないと考えられることである。

一般的な税理士であれば、対顧客の立場としてはもちろん、
国税を怖いと思うため、脱税などもってのほか、という税理士が
多い。

しかし、OB税理士は、国税の内情としてのだらしなさを知っているので、

脱税しても逃げられる
税理士法違反に対しては腰が重い

このような考えを持っている者が多い。結果として、このような
あってはならない事態が生じたのだろう。


国税に対しては、リークして社会的抹殺を図る、という裏技的な
手法を使うことなく、正面から税理士法違反を問うて欲しかった。
法律は別にして、許される行為ではないことは周囲が一致する
ところだろう。


 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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