2016/10/24 7:58 PM NEWS

高層マンションの固定資産税評価額の改正

高層マンションの 固定資産税を

上の階ほど高くする

前からあった話であるが、29年度改正によりようやく検討される見込み。
報道によると、上の階ほど高い値段で取引されるのに、固定資産税の
評価が低い階と同じなのは不公平、という声があったとしているが、
そのような声が出ているというよりも、タワマン節税などに対して
面白くないと考えている、というのが本音と思われる。


ただし、あくまでも現時点での法制化のアイデアだが、以下とされている
ようだ。

高層マンション 固定資産税 “上の階ほど高く”検討へ
政府は、高層マンションの固定資産税については、建物全体の税額は変えずに
上の階ほど税額が高くなるよう制度の見直しを検討することになりました。
政府は、今後、新築される高さが60メートルを超え、おおむね20階建て以上の
高層マンションを主な対象とする方向で、与党の税制調査会と調整し、来年度の
税制改正に盛り込みたい考えです。

対象となるのは、一般的には建築基準法等で「超高層建築物」などと呼ばれる
60メートル(およそ20階建)超の居住用マンションだろうか。気になるのは
「主に」としているものの、新築を原則として対象としている点。

高さや階数など、対象となる物件を絞るのも多少問題はあるが、新築に限定する
のはいかがなものか。例えば、以下のニュースでは、中古のタワマンを買って
節税できるという事例が紹介されている。
「タワマン」が秘める節税効果 富裕層が注目 

不動産市況に詳しいわけではないが、原則論として新築に限定するとなると、
中古物件を買おうとか、タワマンの低層を買おうとか、また節税に向けた
話が出てくる気がするが、政府はどう考えているのだろうか。


タワマン節税など、この問題の本質は、一棟の建物の評価額をそれぞれ
部屋ごとに按分することにある。その按分方法が現行は均等だったから
問題になり、それを時代に即して変えよう、という話がでているわけだ。

しかし、そもそも按分することは実態に合わないはず。固定資産税は
財産税であり、納税者の財産の所有に担税力を見出すもの。となれば、
所有の実態に応じた課税をすべきである。

このような高層マンションを一棟買いするということは実態としては
多くないはずで、となれば一棟買いを前提とした制度設計には歪み
が自ずと生じると考えられる。むしろ、部屋ごとに取引する実態を
踏まえて、部屋ごとの価格を適正に算定できる仕組み、例えば取得
価格や取引相場を基礎とする、とかそんな仕組みを用意した方がいい
と個人的には考える。

いずれにしても、上記のように新築を主な対象とする、という
制度設計では、固定資産税評価は別にして、相続税の節税対策に
あまり効果がない気がする。
となると、悪名高き6項を中古にも適用すべきだ、といった話も
出てくるだろう。困ったことに、何の根拠もなく時価を算定するのは
困るが、按分方法を変えて評価します、などといった算定根拠が
あると、国税は課税しやすい。

つまり、相続税などの課税において、現行検討されている改正が適用されない、
中古物件にも適用される恐れがあるため、注意しておく必要があるだろう。
対象物件の範囲など、今後に注意したい。

 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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