2017/02/23 7:48 PM NEWS

上場株式の配当の課税方式の選択替え

上場株式の配当の申告を所得税・住民税で変える

平成29年度改正で明確化として明記されたのが、この改正。
大綱によると、以下とある。

平成29年度税制改正大綱 P25
上場株式等に係る配当所得等について、市町村が納税義務者の意思等を勘案
し、所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることを明
確化する。 

明確化とあるので、平成29年度改正の施行(平成29年4月1日)を待たず、
平成28年度の確定申告でも使えると想定される。この点、以下の私の税制改正
テキストでも指摘させていただいた。

http://mmct.jcity.com/?c=3587&e=zhgnUBQMBlEGlMg3r9kDwg11

上場株式の配当については、申告不要、申告分離、総合課税と異なる課税方式
が設けられている。累進課税等の関係から、申告不要を選択したり総合課税を
選択したりする有利不利があるのだが、所得税の申告をすれば住民税は申告した
ことになるため、基本的には所得税で選択した方式を住民税で申告する、という
のが実務の流れであった。

しかし、選択替えができれば非常に有利になるわけで、例えば以下のような
税金対策などが述べられている。

http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/tax/20170125_011633.html

これが、28年度の申告から適用できるのであれば、早々に対応したい
ところであり、私自身改正セミナーでも指摘させていただいた。

ただし、注意したいことがある。



 
1 提出日の関係

所得税の申告書を提出した場合の住民税の申告については、以下とされている。

地方税法45の3の1項 
第二十四条第一項第一号の者が前年分の所得税につき所得税法第二条第一項
第三十七号の確定申告書(以下本条において「確定申告書」という。)を提出した
場合(政令で定める場合を除く。)には、本節の規定の適用については、当該
確定申告書が提出された日に前条第一項から第四項までの規定による申告書が
提出されたものとみなす。ただし、同日前に当該申告書が提出された場合は、
この限りでない。

ここにある通り、

1 所得税の申告日=住民税の申告日
2 所得税の申告日前に住民税の申告→住民税の申告が生きる

このような定めとなっている。このため、仮に本制度を平成28年分から適用する
なら、住民税は先に提出しましょう、と言われるわけだが、あくまでも上記の規定は
申告したとみなす、という規定である。

となれば、所得税を申告した後、3月15日までに訂正申告として
住民税の申告を行えば、二回申告があったことになり、後出しした方が
優先適用されるとも考えられる。もちろん、市役所などとの合意は必要だが、
最悪の場合には問題ないだろう。

2 更正の請求はできない

明確化だから過去にさかのぼって変えたい、という話もあり得るが、それは
できない。課税方式の選択は任意であるため、その選択替えは更正の請求や
修正申告ではできないことになる。

明確化というくらいだから、過去にさかのぼってもいいはず、
という気はしているが、このあたり税制の融通は利かないのが
通例なので、注意したい。

 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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