2014/02/07 10:00 AM NEWS

短期前払と翌期調整

5%で仕入控除すると、翌期で調整してください

 
先日も伝えた短期前払費用に係るQ&Aだが、これまたクレージーな
取扱いが明記されている。

どうも、支出時に全額5%の仕入控除をとってもよく、
その場合には翌期で8%部分を仕入控除し、重複する
5%部分は仕入に係る対価の返還、すなわちリベートを
貰ったときと同じ処理をするよう指導している。

この取扱い、複雑であることより、消費税の問題を
大きく無視している取扱いであることにお気づきだろうか?
キーワードは「翌期」。

消費税の問題で当局が目くじらを立てているのは、

新設法人を活用した二期免税
簡易課税を悪用したグループ法人

これらを見ていただくと、背景には基準期間等の
課税期間の問題が浮かび上がる。消費税は課税期間ごと
に課税関係が大きく変わることがあり、それが
安易な節税を誘発させることになるのだ。

となると、翌期は免税ないし簡易課税、となれば、
調整がうまく機能しないことは言うまでもない。
消費税は、各課税期間で課税関係を完結させないと、
意味がないのだ。

おそらく、本来8%取れるところを、免税でも簡易でも
5%しか仕入控除できないから、納税者不利になり
この取扱いで問題はない、と当局は高を括っている
のだろう。

しかし、こんなに問題は単純ではない。というのも、
翌期免税となる会社が、この処理を失念して、昨日の
仮払経理をしてしまった場合、消費税は納めすぎに
なるが、更正の請求はできないと考えられる。

法律(そもそも存在しないけど)誤りはなく、
計算誤りもないからだ。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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