2014/02/26 10:30 AM NEWS

収益認識の相違がもたらす問題

消費税の収益認識は法人税類似

 
こんな話を聞いたことがあるかたも多いと思う。事実、消費税の
資産の譲渡等の時期に係る通達と法人税の収益認識の通達の
定めは、ほぼ同じになっている。

この点から、先日確認した不動産収入について、消費税の通達を
確認してみよう。

消費税基本通達9-1-20(賃貸借契約に基づく使用料等を
対価とする資産の譲渡等の時期)
資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等の額(前受けに係る額を除く。)を
対価とする資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とする。

「前受けに係る額を除く。」とあるため、法人税と同じで
所得税とは違う、という結論が導かれるわけだ。


この点がなぜ問題になるかと言えば、消費税の増税があるからに
他ならない。

所得税の考え方に照らして収益計上していた場合、3月に収入する、
4月分の賃料は3月の収益となる。このため、納税義務者の認識としては
5%となるはずだ。

しかし、先に見たとおり、前受部分は消費税の収益認識のタイミングではないため、
所得税では収益計上するものの、消費税については前受収益として
認識する必要があるのだ。こうなると、非常に混乱する。

所得税は暦年課税であり、消費税の増税も一過性のものだから
税金計算上はうまくやれそうな気がしないわけではない。

しかし、消費税の計算は帳簿が前提であるところ、所得税の通達のように、
個人だからある意味いい加減でいい、という取扱いは矛盾が生じる。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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