2014/04/10 10:00 AM NEWS
消費税の課税標準
消費税は原則時価課税なし
昨日のブログで誤解があってはいけないので指摘するが、
消費税はみなし譲渡ないし低廉譲渡と言われる取扱いを
除き、原則として時価課税はない。
あくまでも「対価として収受すべき」金額が問題になるのだ。
この点から問題になるのは、条文の書き方。
消費税法28条(課税標準)1項
課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の 対価の額(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は 金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし 、課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を 課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を含まない ものとする。以下この項及び次項において同じ。)とする。 ここで注目いただきたいのは、「収受すべき~」とされている点。 ココだけ読むと、すべき、だから時価、という見方が可能になる だろう。 この点、所得税はどうなのか、次に検討してみよう。 所得税法36条(収入金額)1項 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は 総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、 その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他 経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は 権利その他経済的な利益の価額)とする。 所得課税、と聞くと即時価課税、と思うものだが、所得税も 消費税と同じように「収入すべき~」と規定している。 すべきだから時価、なのか消費税と同じように時価でなくて いいのか、疑問が生ずる。 この点、所得税法や消費税の構造を見ると、時価課税すべき ものについては、別段の定めを設けている。このため、 すべき、とは(納税者が)収入できる権利があるもの、 という解釈が正当になるのか、と思われる。 時価課税と言えば、法人税。法人税を見ると、 法人税法22条(各事業年度の所得の金額の計算)1項 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の 益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、 資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による 資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る 当該事業年度の収益の額とする。 え、収益?書き方が消費税や所得税とは違うのだ。 となると、私の推論通り、収入「すべき」金額とは、権利 として受け取れる金額を意味する?という整理が正しいように 思う。 このあたり、一言一句条文を読む癖をつけておかないと、 真の解釈ができないのかな、と考える。 税法は深い。
税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中。
@yo_mazs
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