2014/04/24 9:42 AM NEWS

給与等の意義

給与等には非課税給与も含む

 
所得拡大促進税制に関し、このような記事が某税務雑誌に掲載されていた。
内容を読むと、「継続適用を要件に、OKという旨の通達を今後当局が
出す」とのことであった。いつもながらの要件緩和かな、と思い
念のため条文を確認してみる。

租税特別措置法42条の12の4(雇用者給与等支給額が増加した場合の
法人税額の特別控除)2項2号
給与等 所得税法第二十八条第一項 に規定する給与等をいう。

所得税法28条1項を引用しているので、同項を見ると
一目瞭然である。

所得税法28条1項(給与所得)
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びに
これらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)
に係る所得をいう。

「に係る所得」の前に給与等が来ているから、ここでいう
給与等は課税の有無を問わない、と解釈できる。つまり、
通達など出さずとも、この税務雑誌が指導するような解釈になる、
と思われる。

かといって、通達が出ることはむしろ大きな意義がある。
自分自身、法律を読んでいて思うが、解釈し見解を出すのは
かなり怖い。

言うまでもなく、当局が違う見解を出すことも多々あるからで、
当局の方が権力があるので、このあたり揉めると大変なことになる。
明確に書かれれば、そのあたりはなくなるわけで、かなり
安心できる、というのが正直なところ。

ただし、ストックオプションや、逆養老など、明確な見解を
出しておいて、それが租税回避につながるとなると、即見解を
変えて課税することもゼロではないのが近年の当局。

こういう意味において、法律の根拠もきちんと確認し、
万一のガードとしておきたい。
 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
@yo_mazs

twitter


BOOKS/DVD

メールマガジン登録

都道府県

TWWET

LATEST POST

  • 「概ね」1年以内なので、1年でいいはずがない

    「概ね」1年以内に取り壊せば取得価額に入れない ため、1年おけば除却損で落ちるなんて短絡的な結論になる訳ない。 これって、税理士が提案したのかな? ...
  • 社会保険料と非常勤役員

    税も仕組みは酷い ですが、それをはるかに超える酷さが社会保険。 実質判断もなされるため、最終的には‪ケースバイケースの 判断になりますが、こういう...

CATEGORY