2014/06/04 10:00 AM NEWS

税務上の簿価と会計上の簿価

資本割の特例と受配の当期実績の計算

受取配当益金不算入の当期実績の計算は、先日述べた資本割の特例と似ている。

法人税法施行令22条(株式等に係る負債の利子の額)1項

法第二十三条第四項第二号(受取配当等の益金不算入)に規定する
政令で定めるところにより計算した金額は、同項の内国法人が同項の
事業年度において支払う同項に規定する負債の利子の額の合計額に、
第一号に掲げる金額のうちに第二号に掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額とする。
一 当該内国法人の当該事業年度及び当該事業年度の前事業年度(当該事業年度
終了の時において、当該内国法人が、連結法人でない場合にあつては法第四条の二
(連結納税義務者)の承認を受けていない期間に、連結法人である場合にあつては
当該承認を受けている期間に限る。以下この条において同じ。)の確定した
決算に基づく貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額(イからニまでに
掲げる金額(当該内国法人が連結法人である場合にあつては、イからホまでに掲げる金額)
がある場合にはこれを減算し、ヘに掲げる金額がある場合にはこれを加算した金額)の合計額
イ~ヘ 省略
二 当該内国法人の当該事業年度及び当該事業年度の前事業年度終了の
時における期末関係法人株式等の帳簿価額の合計額

受取配当益金不算入の計算も、

分母⇒会計上の簿価
分子⇒税務上の簿価

という仕組みが採用されているのだ。


一見すると不整合だが、それは計算の便宜を考えた
ものだろう。税務上の簿価ベースに総資産を直すとなると、
膨大な手間がかかる。
あるべき論としては、両方税務上の簿価となるはずで、
このような仕組みは事務処理の都合を考慮したもの、
と位置づけられる。
結果、「決算に基づく貸借対照表に計上されている
総資産の帳簿価額」のような記述がない限り、税法解釈に
あたっては、やはり税務上の簿価で考えるということになろう。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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