2014/06/11 2:43 PM NEWS

結論ありきだけど….

政府資料も有効な税制改正資料

 
言うまでもなく、税制改正を検討する上では、政府の資料も読む
必要がある。この点、自民党が渦中の法人税減税について
コメントしているので、読んでみた。

法人税改革に当たっての基本認識と論点(自由民主党)
 https://www.jimin.jp/news/policy/125084.html

このあたりの検討資料をご覧いただくとわかるが、
政府筋の検討資料は、結論から遡るという方策を取っている。
法人税減税についても同様で、減税は確定、そうなると
代替財源が必要だから課税ベースを拡大する、という
結論から逆算する。

こういうわけで、堂々と「企業もまた行政サービスの恩恵を
受けているのであり、そこに企業にも応分の負担が求められる
ゆえんがある。公平な税負担を求めていくためには、こうした
応益的な考えに基づき、より広く課税する仕組みに変えていく
必要がある。」などと言い出す。従来から企業は行政サービスの
恩恵を受けており、その対価として現行の法人住民税等を
支払ってきたのにもかかわらず、何をいまさら改革しなきゃいけないのか、
といった矛盾した話をすることになるのだ。

本音で語ればいい。「法人税減税しないと、日本から企業が
出ていく。となった場合、財源を中小企業にも求めなければならない。
苦労をかけて申し訳ないが、政治も痛みを分かち合う。」
こう言って、最終的な判断を国民に問えばいいだろう。

もっともらしい「応益課税」というお題目を出して、現状を
ごまかすものだから、政治不信が高まるわけだ。

それに、負担を分かち合うのであれば、去る税・社会保障一体改革に
おいて、この方策は実現させておかなければならなかった。
そうせず、消費税増税だけ実現させたのは、取りやすいところから
取る、というこすいやり方だろう。

政治も痛みを分かち合う、ということがいやかもしれないけど。








 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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