2014/06/27 9:04 AM NEWS

恒久的施設の定義づけ

国際課税原則が帰属主義に転換

 
平成26年度改正の目玉である本改正。この改正を受けてのことだろう、
所得税法上恒久的施設の定義規定が設けられている。

所得税法2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に
定めるところによる。

八の四 恒久的施設 次に掲げるものをいう。
 イ 非居住者又は外国法人の国内にある支店、工場その他事業を
   行う一定の場所で政令で定めるもの
 ロ 非居住者又は外国法人の国内にある建設作業場(非居住者又は
   外国法人が国内において建設作業等(建設、据付け、組立て
   その他の作業又はその作業の指揮監督の役務の提供で一年を
   超えて行われるものをいう。)を行う場所をいい、当該非居住者又は
   外国法人の国内における当該建設作業等を含む。)
 ハ 非居住者又は外国法人が国内に置く自己のために契約を締結する権限の
   ある者その他これに準ずる者で政令で定めるもの

この点、少し疑問があるのだが、租税条約の置き換え規定は
必要ないのだろうか?



改正後の所得税法162条(租税条約に異なる定めがある場合の国内源泉所得)
は、一定の国内源泉を租税条約に置き換えるものであり、恒久的施設を置き換える
ものではない。なお、同様の規定が外国税額控除の国外源泉所得の
条文にある(改正後の所法95⑦)。

所得計算はこのため、原則としては租税条約が優先されることになるが、
何らかの問題がありそうな気がしてならない。

正確な定義は政令に委任しているので、検討は政令がでてから、
とも思うが、何も問題ないのだろうか?

(以下次回)







 

 



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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