2014/07/29 10:16 AM NEWS

異動直後の税務調査が増えている?

税務調査の空白を生じさせない

 
こんなお題目があって、現在は税務署の異動時期にあたる7月3日~10日
までに予告をして、夏休み前に片付けようとする動きが広まっている
模様。この点、「当局の対応が大きく変わった」と指摘する情報も
広がっている。

実は、私の現職時代からこのような動きはあったが、基本機能していない
というのが正直なところ。異動後の職員が調査するため、どんな調査が
行われるか、予告の電話をする人間も把握できていないのだから、
どこをチェックするかなども決まっていないわけで、となれば
用意すべき資料も?。そもそも予告の意味がないのだ。

この点、OB税理士の中には、残留組を中心に調査をする、
みたいな話をしているようだが、この点も大きな疑問がある。
というのも、税務署は部門ベースで動く。当然ながら、重要な
先は調査能力が高いベテランを配置するわけで、残留したのが
若手であれば、彼らをその重要な先の担当者にするわけはない。




 
それに、そもそも税務調査の事前予告は、納税者との日程調整のために
行うものではない。税務調査を行う、ということへの予見可能性を
高めるために行うものなのだ。

だからこそ、事前通知の段階では調査日程や場所以外にも、
いろいろな通知事項を当局に国税通則法は課している。
このため、日程だけ押さえよう、という安易な当局の対応は
趣旨にそぐわないと言える。

このあたり、調査件数が減って困るのはわかるが、間違えないように
願いたいものだ。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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