2015/03/09 2:48 PM NEWS

申告書確認表

申告書確認表を公開

 
本日発売の税務雑誌にこんな記事が公開されていた。税務調査手続き
法制化の影響で、思うような税務調査ができない国税が、コーポレート
ガバナンスの高い企業の税務調査を控えるという施策を打ち出した
影響で、そのガバナンスを図る一つの資料としてこのようなものを
3月中に提示する見込みの模様。

このような施策を税務CGなどと呼んでいるが、昨年初めから
このような取り組みを行うと明言してきたにもかかわらず、
特段の実績が公開されていない。国税にいた人間からすれば
よく分かるのだが、掛け声だけは立派で実がついてこない、
というのが正直なところだろう。

こういうわけで、目に見える実績になりそうな申告書確認表。
どうやら、チェックリスト形式のようで、納税者のケアレスミス
を防ぐような記載ぶりになっているようだ。国税はチェックリスト
好きなので、こんな対応で税務CGの進捗を図ろうとしている、
と期待したのだが、なぜか申告書にこのようなチェックリストを
添付を求めない、と整理されるようだ。




 
添付を求めない、という理由はこの確認表がある意味
自己点検シートだから、という話らしい。自己点検シート
だから、法的効力のある申告とは一線を画す、と国税は
言いたいかもしれないが、本音としては、

チェックシートの提出があっても、調査を省略する
とは限らない

ことをアピールしたいのだろう。

税務CGという施策が打ち出されてから常々言ってきたが、
調査件数が減少しているとはいえ、国税は税務CGを認めたくは
ない。税務CGが対象法人とするのは大企業であるところ、
大企業への調査を放棄するとなれば、当然税務調査の実績は
ダウンするからだ。

このため、あくまでも税務CGには、

真摯な納税者を尊重するというスタンス
調査件数低下という問題に無為無策というわけではないという主張

を表現したいがために、創設されたという本音があると
思われる。とりあえず看板だけは納税者に好まれるよう立派に
見せよう、という話なのだろう。

この点、概況書に申告確認表を活用している、といった
チェックボックスが作られると言われているが、概況書なんて
職員はほとんど見ていないわけだし、○×で割り切れるほど
コーポレートガバナンスは甘くはない、

以上を踏まえると、無意味としか思えないわけだが、
きちんと見た、という証拠として税理士は対クライアントへの
アピールはできるかもしれない。

そ



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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