2015/06/08 9:06 AM NEWS

国税組織の限界点

税務訴訟の敗訴が目立つ

ホンダの移転価格課税、そして日本IBMと、
巨額の訴訟で国税が負けるケースが目立っている。
このような時代の流れもあるのだろうか、
日経新聞で下記のような特集が組まれている。

「税制、経済国際化に後れ」 国税負かす女神はこう考える

上記訴訟を手がけた弁護士のコメントが
面白い。アメリカのように、民間と国税の
人材交流をもっと活発化し、そのノウハウを
活かす、といった趣旨のことが書かれてある。
この弁護士は、税務大学校からも講師依頼を
受けているようで、国税のあり方としても
危機感が見える。

民間の知恵を活用する、ということには
大いに賛成であるが、国税組織の閉鎖性は
それを許さないはず、というのが正直な
ところ。法的知識や法律に則った説明の
必要性がこの特集でも取り上げられているが、
そんな常識的なことすらできないのが
国税組織なのだ。


著名な弁護士がこのように指摘すると、
最もなことと思われるだろうが、私の
現職時代から、リーガルマインドの
重要性、いわゆる「審理事務の充実」
といったことは叫ばれていた。

しかし、未だにこのザマ。それは、
立派な掛け声だけで実がついていかない
からに他ならない。

法律重視、などと掛け声だけ立派な
署長クラスの職員は、いざOB税理士に
なると、「現職のレベルが落ちている」
などとのたまって、若手職員へのいじめに
走る。下記の記事は、その典型だろう。

国税もつらいよ OB座談会

話は戻るが、先の著名な弁護士が講義
するにしても、本当に聞かせるべき職員は、
その講義を聞けるとは限らないのが国税の
おかしいところ。

というのも、選抜試験と名のついた
(その実ゴマすり職員が優遇される)
試験をクリアしなければならないからだ。

体裁ではなく、実質で法律重視の
組織を作らないと、やばいことに
なるだろう。



ABOUT ME

松嶋洋 税務調査対策専門及び税務訴訟に強い税理士。 16,000部のベストセラー『税務署の裏側』著者。 元税務調査官であり、税制改正セミナー講師を 務めるなど、税法解釈と調査対策を得意とする。 税理士が教えない超簡単な調査対策について、 無料レポート発行中
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